美人の湯で知られる湯の川温泉(出雲市斐川町学頭)で5日、泉源から湯をくみ上げるポンプが故障していることがわかった。宿泊施設などへの給湯ができなくなり、施設では少なくとも13人の予約キャンセルが出た。原因はポンプの絶縁ケーブルの不良で、出雲市はポンプを入れ替え、12日の復旧を目指す。
ポンプは市が管理しており、泉源から湯をタンクにくみ上げる。タンクからは周辺の宿泊施設や温浴施設など9施設に給湯している。
市によると5日午前、タンク内の水量が基準を下回る異常を確認し、ポンプの故障が判明。タンクから施設への給湯ができなくなっていた。ポンプは2年に1回交換しており、本年度入れ替える予定だった。
湯の川温泉旅館組合によると、加盟する宿泊施設の定員は40~50人。施設は給湯のストップを予約客に連絡するなど対応に追われた。
山陰中央新報社の取材によると、少なくても6組13人が予約をキャンセル。宿泊料金を割り引いたり、別の浴場を案内したりした施設もあった。杉原一幸組合長は「組合員の中からは損失の補填を求める声もあり、対応を検討してほしい」と訴えた。
日帰り温泉施設「ひかわ美人の湯」は、施設のタンクにためていた温泉水を使用して5日は営業したが、6日以降は復旧までの間、営業を休止する。道の駅湯の川の足湯と、湯を持ち帰られる温泉スタンドも当面休止する。湯を循環して使う一部施設は6日以降も営業を続ける。
市観光課の福代隆課長は「可能な限り早期に修繕し、給湯を再開させたい」と話した。(片山皓平、黒沢悠太)