【松江】肺がんの治療やリハビリについて学ぶ市民向けの公開講座がこのほど、松江市立病院(松江市乃白町)であり、医師やリハビリの専門職員が、最新の治療や手術後の回復を早めるトレーニングを解説した。
理学療法士の松浦佑哉さん(39)は、手術直後のリハビリの重要性をテーマに話した。術後の痛みで肺活量や筋力が低下すると、回復が遅れるため「痛みをコントロールしながら、座る、立つ、歩くことが、肺や筋力に対して一番効果がある」と説明した。
呼吸器外科の荒木邦夫科長は、2010年から10年間で、肺がん患者が増加した背景には、CT検査の普及で早期発見が増えた点を挙げた。定期的な検診やかかりつけ医を持つ大切さを説明した。
近年の治療では、早期の場合はできる限り肺の機能を残した切除手術が広がっていることや、進行性の場合も薬物療法が進化していると紹介した。「ここ5年間で生存率が急速に伸びている印象。かつての『不治の病』のイメージから脱却している」と解説した。
講座は同院が開き、市民約60人が聞いた。(森みずき)













