和菓子製造販売の金時堂(株)(雲南市大東町大東、浅間孝昭社長)が、国の天然記念物のコウノトリをイメージした餅菓子「ふくのおすそわけ」を発売した。地元で営巣し、ひなが生まれているのを受け、ご当地菓子として地域振興にもつなげようと発案。地産のもち米を使い、あんことクリームをトッピングした和洋折衷のユニークな菓子に仕上げた。
雲南市では2017年以降、コウノトリが営巣し、毎年ひなが誕生している。同社はコウノトリを通して地域を盛り上げようと、約1年の開発期間を経て商品化にこぎ着けた。
食紅で塗った串はコウノトリの脚、土台の餅は胴体、あんこは翼の黒い部分を表現。トッピングにバタークリームを使うことで洋菓子の風味を織り交ぜ、ハイカラさを演出した。パッケージには空を舞うコウノトリの絵をあしらい、5年連続ひなが生まれたのに合わせて1箱5本入りとし、1本当たりの餅は、ひなの数と同じ4個とするなどこだわった。
価格は税込み880円。自社店舗と道の駅さくらの里きすき(雲南市木次町山方)、道の駅おろちの里(同市木次町北原)で販売するほか、オンライン受注もする。
金時堂は1947年創業。地元のもち米を杵(きね)と臼でついて手作りした餅に、工場で炊き込み熟成させた自家製あんこを載せた「金福だんご」や、島根産の緑茶を粉末にして混ぜた餅にきな粉をまぶした「御縁餅」などを製造販売している。
新商品について同社の浅間尚子マネジャー(51)は「幸せを運ぶコウノトリへの思いを込めた。多くの人に手に取ってほしい」と話した。