DBSクルーズフェリー社が運航していた頃の貨客船「イースタンドリーム号」
DBSクルーズフェリー社が運航していた頃の貨客船「イースタンドリーム号」
DBSクルーズフェリー社が運航していた頃の貨客船「イースタンドリーム号」

 鳥取県は24日、韓国の船会社が境港と韓国・東海(トンヘ)を結ぶ定期貨客船の運航を計画していると明らかにした。就航時期は未定。境港には2019年11月まで、日韓ロを結ぶ定期貨客船が運航していたが、新型コロナウイルス禍で廃止となった。韓国の船会社は日韓関係が改善に向かうなどし、インバウンド(訪日客)の需要が見込めると判断したという。

 県通商物流課によると、運航するトゥウォン商船(韓国・東海市)が23年末、貨客船「イースタンドリーム号」(約1万1千トン)の境港への寄港免許取得を韓国当局に申請した。取得時期は未定という。

 同社は、境港の日韓ロ航路を運航していたDBSクルーズフェリー社が20年4月に廃業後、イースタンドリーム号を引き継いだ。現在、同号で東海とロシア・ウラジオストク間を定期運航しており、免許が下りれば、日韓ロの航路が再び通ずることになる。

 イースタンドリーム号は定員上限530人。境港へは土曜日午前に入港し、日曜日午後に出港する週1往復を想定している。乗客に加え、コンテナや車などの貨物輸送にも活用できるという。境港-東海の乗船時間は片道14時間。

 平井伸治知事は会見で「運航実績があることを踏まえ、航路再開の光が見え始めた」と期待した。

 境港の日韓ロ航路は、DBSクルーズフェリー社が09年6月に就航した。日韓関係の悪化を受けて運休した19年11月まで週1往復を運航し、境港で数えた乗降客数は韓国人を中心に延べ約26万人だった。運休後は、コロナ禍で集客が見通せぬまま20年4月に同社が廃業し航路が断たれた。

 県は、貨客船を引き継いだトゥウォン商船と連絡を取り、情報収集を継続。23年12月に、同社の李(イ)錫基(ソッキ)社長が3泊4日で県西部や島根県東部を視察。自転車やバイクといった航空機では運べないような乗り物を運ぶことができる利点を生かした旅行商品の需要があると判断した。(岸本久瑠人)