枯れ草を焼いて燃え上がる炎=大田市三瓶町、三瓶山西の原
枯れ草を焼いて燃え上がる炎=大田市三瓶町、三瓶山西の原

 国立公園・三瓶山西の原(大田市三瓶町)で23日、害虫駆除や景観保全などを目的に枯れ草を燃やす恒例行事の「火入れ」があった。春の訪れを告げる風物詩で33回目。同じ三瓶山麓の北の原で5月30日には「第71回全国植樹祭」が開かれるため、参加者は三瓶山をバックに広がる炎の帯を特別な思いで見守った。

 市が主催し、森林組合、自然保護団体などから約150人が参加。バーナーでススキなどの枯れ草に付けた火は「パチパチ」と音を立てながら広がり、周囲には煙が立ち込めた。参加者は簡易型の放水器で水を掛け、延焼を防いだ。

 2018、19年と続けて強風にあおられた火が予定範囲外に広がった反省から、ヘリコプターで事前散水を行うなど安全対策に努め、慎重に作業を進めた。市によると、この日焼いたのは計画より7・8ヘクタール少ない25・2ヘクタールだった。

 一帯はあと1週間程度もすれば新しい芽が出始め、4月下旬までには鮮やかな緑の草原となるという。

 長年にわたり三瓶山麓の環境保全に取り組み、この日は希少植物に火が広がらないよう警戒した住民団体「大田の自然を守る会」の伊藤宏会長(81)は「植樹祭に訪れる全国の方々にきれいな草原を見てもらえそうだ」と話した。

       (錦織拓郎)