能登半島地震から1カ月が過ぎた。地震は高齢化や道路網の脆弱(ぜいじゃく)さの問題を抱える半島部での避難対応、災害支援の難しさを突き付けた。課題は島根半島にも共通し、住民の危機感は強い。リスクがあるからこそ、被災時の影響を具体的に想定し、備えを強化する必要がある。
(曽田元気)
「もし何か起きたら、能登と同じ被害が起こりうる」。1月下旬、島根半島の東端・松江市美保関町菅浦地区の小林邦彦自治会区長(72)は、地震から1時間後、津波で水位が上がった地区内の菅浦川を見やった。
古い木造住宅が多い集落に126人が暮らし、高齢化率は57%。10人の独居高齢者がいる。市...