かつて計画された浜田、広島両市を結ぶ「広浜鉄道今福線」の鉄道遺構を巡るウオーキング大会が25日、浜田市内であり、市内外の約200人が、普段は立ち入れないトンネル内部などを見学し散策を楽しんだ。
路線は浜田-広島間を1時間で結ぼうと、1933年に旧線(下府-石見今福間)、70年に新線(浜田-石見今福間)が、いったんは着工したが、戦争による鉄不足や採算性の問題で中止された。遺構の状態は良く、周囲の景観も味わいがあり「幻の鉄道」として近年人気が高まっている。
参加者は、地元ガイドから旧線と新線のルートの違いなどを教わりながら、路線に沿って約5・5キロの道のりを歩いた。
75年に完成した新線の下長屋トンネルも特別に公開され、参加者は長さ1633メートルのトンネル内に作られた作業員用の待避所や、かまぼこ形のトンネルの形状を写真撮影するなどして注意深く観察した。
親子で初参加した浜田市立雲城小学校4年の大屋菜々花さん(10)は「トンネルは思ったより暗くて長かった。楽しかった」と話した。
イベントは、今福まちづくりセンターが企画し7回目。(中村成美)