島根県の丸山達也知事
島根県の丸山達也知事

 日産自動車(横浜市)が自動車部品メーカーなど下請け業者に対する支払代金を不当に減額していた問題を巡り、島根県の丸山達也知事が13日の定例会見で大企業と下請け企業の関係性について触れ、「取引停止という鉄砲で脅す、経済取引上の強盗だ」と批判した。中小企業の賃上げにも大きく影響する問題だとして早急な是正を求め、公正取引委員会に直談判したことを明らかにした。

 日産は約2年間で36社を対象に一度決まった支払代金から計30億円超を減額したと公取委が認定。7日に再発防止の勧告を受けた。減額相当分は既に下請け業者に支払ったという。

 これに対し、丸山知事は公取委が認定した以外の期間でも減額が常態化していた可能性に触れ、返還されるべき本来の額について疑問視。利息も加算して支払うべきだと強調し、「(日産は)優先的地位の乱用をいまだに続けている」と批判。公取委に直接電話で注文したことを明らかにした。

 さらに、国や日産に対して「こんな扱いをしていた会社がこの2、3年の原材料価格高騰、エネルギー価格高騰、賃上げ用の原資を引き受けているとはとても思えない。政府も真面目に取り組んでいるとは思えない」と語気を強めた。