―能登半島地震で消防団の活躍がありました。自然災害が多発する中、地域防災を担う中核としての役割は重みが増しています。
能登半島地震では孤立集落が発生するなど、救助や支援に関わる多くの地理的被害がありました。
島根県も山間部があり、海と近い集落が多く存在します。有事の際、安全な場所に避難できるように地域ごとの地理的条件や道路網の把握を改めて強化すべきだと思います。
外部講師を招き、地図を使いながら災害のレベルに合わせて被害予想と対策を考える「災害図上訓練」を今年も実施し、引き続き団員のスキルアップに努めます。
―島根県内の消防団員の現状を教えて下さい。
2023年10月1日時点の消防団員数は1万755人で、定員に対する充足率は89%です。
女性は259人おり、災害時の避難支援などに備えています。
減少傾向は緩やかですが、都市と地方の人口差や、働いている人が増えて活動時間の確保が困難で入団できないという声もあり、団員確保が課題となっています。
―団員確保のために取り組んでいることはありますか。
仕事内容について理解を広めることを重視し、さまざまな取り組みが行われています。
小学校への出前授業を継続しており、23年には消防団の仕事を紹介する副読本を2千部作って授業で使用しているところもあります。日本消防協会の機関誌「日本消防」にも取り組みが掲載されました。
ほかにも出初め式で出前授業を受けた小学生が放水体験を行い、子どもたちやご家族の方に理解を深めていただいています。
―消防団の役割を踏まえ、今後どのような活動展開を考えていますか。
消防団は地域と深くつながり、住民に信頼され、安心してもらうことが大切です。
日頃から知識や技術を身につけ、地域と交流して活動に理解してもらえる働きが必要だと感じています。
有事に備えて行政や常備消防などと連携し、地域の中心となるように経験を積んでいきます。

多くの若い人たちに消防団の価値を知ってもらいたいです。
消防団の価値とは災害時に地域を守る重要なネットワークです。
その力には若い人たちの貢献が不可欠です。消防団への参加は、自らの命を守る行動にも繋がります。災害時の保険にも加入できます。
是非、若い人たちの力を消防団に貸してください。
松浦嘉昭=島根県松江市出身(82歳)2010年に現職に就任
趣味はスポーツ観戦と温泉巡りです。
少し足を延ばして知らない土地の温泉にも挑戦しようと計画しています。
シャインマスカットや世界最大級の柑橘類「晩白柚」の栽培も手がけています。












