―商船用のエンジン部品を作っています。業界の現状について教えてください。

造船業は各国で活発化しています。2000年代の造船バブルで生まれた船がちょうど買い替え時期を迎え、需要が高まっています。

4、5年先まで受注が埋まっている状況で、23年度の売り上げは10%増加を見込んでいます。24年度もさらにアップしていくものと考えています。

一方で、日本や韓国の造船所で人手確保が難しくなっています。海外の方の力も借りていますが、足りていない状況です。

 

―育児と仕事の両立がしやすい環境づくりに取り組んでいます。

管理職研修や社内規定の整備、相談窓口の設置、「ノー残業デー」の拡充を進めています。特にノー残業デーは、従来の水曜日に金曜日も加えて定時退社を促進しています。

育児短時間勤務は、0歳児から小学3年生まで取得できるようにし、家庭の事情によって柔軟に取れるように改定しました。

―島根県は古くから、ものづくりが盛んな地域です。今後の製造業全体の見通しはどうでしょうか。

製造業の未来はデジタルトランスフォーメーション(DX)化が変革の鍵となり、近い将来、人とロボットAI(人工知能)の技術が融合され、多くの業務がバーチャル上で可能になると言われています。

われわれも後れを取らないよう、4年前からAIを使った検査の自動化や設備故障の予知などに取り組んでいます。

AIに対する知見を深めるためにも24年度から島根大とDX化の共同研究を進める予定です。

 

―今後の目標と、それに対する取り組みについて教えてください。

まだ3K(きつい、汚い、危険)労働を伴う職場があります。

本来は危険作業自体をなくしてリスクを減らすべきですが、それができない作業は機械化・自動化を進めています。

市販されていない設備はメーカーと共同で開発し、中には開発に3年以上かかっている設備もあります。

 

入社される皆さんは、コロナ禍やロシアのウクライナの侵攻などで混とんとしている世の中だからこそ、長期展望の夢を描いてください。

まず、中長期的な視野で課題解決に向けて取り組まなければなりませんが、世の中が大転換期にあり、失敗を恐れることなくさまざまなことに挑戦できます。

先輩社員と一緒に働きながら、自身の夢に向かって進んでください。

 

 

金井 保博=大阪府出身(63歳)2019年から現職。

長年、熱や材料などの研究畑を歩んだ後、ヤンマー尼崎工場で品質向上に直結する工場改革に中心メンバーとして携わってきました。

趣味は、お酒を飲むことです。ただ健康を意識して、1日8千歩歩いたら居酒屋に入るようにしています。

ハイボール2杯から焼酎にいくのがいつもの流れです。地酒では「玉鋼」が好きですね。

ヤンマーキャステクノ㈱HP