―2024年度に、社内に「地域創造ビジネス局」を新たに立ち上げられました。

今の日本は地方に落ちるお金が少なく、ほとんどが東京に流れており、それを変えたい一心で中期経営計画ビジョンに沿って創設しました。

取り組むのは空き家を活用したまちづくりや観光事業など多岐にわたります。

100億キャッシュインを目標に掲げ、人口減少が進む中でも、地元や県外の方だけでなく、インバウンド(訪日客)にもお金を落としてもらえるシステムを構築し、地方創生カンパニーとして地域開発事業に注力したいと考えています。

―地域農業の活性化に向け、TSK農縁を設立されました。

地域経済の振興の一環で始めました。中海と宍道湖沿岸を高規格道路で結ぶ「8の字ルート」実現につなげるためにも、道路建設による直接的な経済効果が見込まれる産業が農林水産業です。

地元に無数にある森林資源の有効活用や地元で作った農産物を県内外で広く販売できる仕組みを作り、サステナビリティ(持続可能性)に貢献していきます。

 

―若い世代の教育事業にも力を入れておられますね。

22年に始めた島根県の高校生を対象とした「SHIMANEみらい共創CHALLENGE」(みらチャレ)は、社会人と大学生が伴走者となって経営者や起業を疑似体験するプログラムで、自分がやりたいビジョンを形にする過程を実感することができます。

今年から大学生版も始め、より具体的に起業のプロセスを実践できる環境を提供したいと考えています。島根県民は地元愛が強く、プロジェクトを通して、地元のために頑張る若者の育成を支援します。

 

―グループの将来像をお聞かせください。

経営理念に掲げている「人と地域を大事にし、想像力を持って仕事に当たる」ということを徹底しながら、現在約200億円のTSKグループ全体の売り上げを将来的に1千億円にし、地域を背負えるグループを目指しています。

 

 

我々はテレビの枠にとらわれず、地域の課題に向けて様々な事業にこれからも取り組んでいきます。若い皆さんには、新しい発想を持って失敗を恐れず、果敢にチャレンジしてほしいと思います。 

 

 

田部 長右衛門=雲南市吉田町出身。 

(株)フジテレビジョンでの勤務を経て、2010年に山陰中央テレビジョン放送(株)に入社。 

2016年から現職。 

山陰中央テレビジョン放送㈱HP