―新型コロナウイルス禍を経た地元経済の現状をどうみていますか。

ビジネスモデル転換や事業承継を進め、業況を上向かせた企業と、うまくいかなかった企業との二極化が進んでいます。

ゼロゼロ融資の返済に困る先には伴走支援で返済猶予などの対応をとっています。出雲市ではIT企業の進出が続くなど明るい兆しもあります。

創業も活発で、商工会議所などと取り組む支援ネットワーク「御縁」は2023年度に過去最多の26件の利用がありました。 

―日銀がマイナス金利政策を解除しました。

金利が上がれば、貸出金の利息は増えますが、預金金利など調達コストが増え、有価証券の運用も難しくなります。このため金利の動向を注視していきます。

住宅ローンは金利リスクの少ない固定型を中心に、できるだけ低い金利で提供できるよう工夫していきます。 
 

 

 

―全国的には地域金融機関の店舗網が縮小傾向にある中で、島根中央信金は維持しています。

フェース・トゥー・フェースが信条の信金にとって店舗はとても大切な存在です。6月には老朽化した江津支店をJR江津駅隣に移転新築します。

IT活用を含めた庫内の業務効率化は進めますが、高齢の利用者も多い中で、元本割れリスクのある投資信託や外貨建て保険は販売しないこととし、お客さまの信頼を第一に考えていきます。

―若者が働きやすい環境づくりや雇用の管理に優れた中小事業所を認定する「ユースエール認定制度」の対象になりました。

有給休暇の取得率の高さや離職率の低さが評価されました。

職員の多能工化を進めた結果、休みやすい環境を確保しました。男性の育児休暇取得率も100%です。

 

―社会貢献ではどのようなことを考えていますか。

利息の一部を社会貢献活動に使う預金商品を用意し、子ども食堂に寄付をしました。

能登半島地震の被災地にも義援金を送り、企業版ふるさと納税の仕組みで、さらに支援できないか考えています。
 

 

島根中央信用金庫はface to faceをモットーとしています。

デジタル社会だからこそコミュニケーション能力と課題解決能力を身に着けていただきたいと思います。

そのためには自分の殻に閉じこもらず、積極的に外部との関りを持つことや、ルーティンワークをコツコツとこなしながら、基礎能力を高め常に問題意識を持ち、疑問の消込をしつつ「変化への挑戦」のマインドを持ち続けて下さい。

 

福間均=島根県雲南市出身(66歳)2017年に現職に就任。

出張時にはできるだけ時間をとって歩くようにしています。

季節の変化もですが、街が変わっていく様や人の変化など、肌で感じるようにしています。

デジタル化していく社会の中でこの肌感は重要で仕事やプライベートでの感性の維持に役立っています。

老化していく身体にせめて、内面は若さを維持したいと考えています。

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