ー 道の駅・たたらば壱番地(雲南市吉田町吉田)に卵を使った料理を提供する「金ちゃん亭」をオープンされました。

たなべ森の鶏舎(同)でできた卵を多くの方々に食べてもらいたいと思い、たなべたたらの里(同)の直営店として3月1日に営業を始めました。卵かけご飯や親子丼、卵の天ぷらを載せたとろたま天丼など、平飼い放牧でのびのびと暮らすニワトリが産む卵のおいしさを堪能できるメニューを提供しています。今後、駅や観光地などに店舗を拡大したいと思っています。

ー 7月に開業する商業施設・KITTE大阪(大阪市)にはテナントを出店されます。

土産品の製造・販売を手がける中浦食品(松江市東出雲町錦浜)と共同で、山陰の特産品販売や情報発信を行うアンテナショップを出店する計画です。名称は「IZUMO SHIMENAWAYA(出雲しめなわや)」で、地元の工芸品も取り扱う予定です。

大阪は2025年に万博で国内外からの来場客でにぎわうことが予想されるため、KITTE大阪への出店が山陰に観光客を誘致するきっかけになればと思っております。

ー 田部グループ傘下の田部竹下酒造では、日本酒の新ブランド「理八」が発売されました。

純米吟醸を2種類開発し、今年は大吟醸を作ります。昨年12月の発売開始以降、人気を博しており、国内外のコンテスト出品を考えております。米国では日本酒が高単価で売れるため、将来は海外への販路拡大を目指しています。

ー 大阪万博では、たたら製鉄の発信をされると伺っています。

田部はかつて、パリ、シカゴ万博で玉鋼を出品し、欧米から高い評価を得るなど、万博を通じてたたら製鉄をプロモーションしてきた歴史があります。

大阪では炉を作り、来場者が鉧(けら)出しなどを体験できるブースを構想しております。万博を一つの契機として、世界に誇れる日本の鋼や鉄の文化を積極的にPRしたいと考えています。

たたら製鉄の復興や、地域農業や観光などを含めた活気ある里づくりを目指す「たたらの里づくりプロジェクト」は、国から日本最先端の取り組みとの評価をいただき、全国の中山間地域のモデルケースにもなりました。未来を担う皆さんの力を結集し、島根の底力を見せてやりましょう。 

田部長右衛門=2010年に(株)田部の社長に就任。

2021年創業の (株)たなべたたらの里では里長を務める。

田部グループHP