
―設立して間もない会社です。
観光宿泊分野の経営支援、地域観光に関する事業支援を目的に2022年8月に設立しました。地域資源をキーワードに社名の「グロース」の通り、持続可能な地域発展を目指しお手伝いしています。
玉造温泉のポテンシャルの高さを生かし、ブランド化した「美肌温泉」に加えて新たな資源の発掘による賑わいの創出に挑戦しています。
―具体的な取り組みは。
松江市の観光戦略プランを念頭に、観光協会や旅館組合、商工会、自治会などを横断した地域自主組織「ワクワク玉造温泉会議」の運営をサポートしています。
観光客、住民、事業者の「三方良し」の観光を目指しており、23年は観光庁の観光再始動事業を活用し、地域資源を生かしたインバウンドや富裕層向けモニターツアーを行いました。2泊3日で出雲玉作資料館、花仙山の勾玉採石跡見学、出雲神楽鑑賞などを実施しました。
コンシェルジュを兼ねた通訳や個別大型車による移動といったツアープランを希望される反省材料もあり、今後に生かしたいと考えています。

―さらに新たな取り組みが始まりました。
神話の温泉地と県内の薬草を組み合わせた「薬草湯治プロジェクト」です。
古代からの歴史、文化、地域資源を生かした島根大学との連携プログラムで、島根県が掲げるウエルネスツーリズムの概念に沿っています。
3月には玉造温泉「ゆーゆ」で、「カラダすこやかイベント」を開催しました。薬湯の入浴、薬膳茶・薬膳アイスの販売、健康体操、マルシェなどを行い、好評でした。

―今後の目指すべき方向は。
老朽化が進んだ「ゆーゆ」の対応を含め、玉造温泉の新しい形の湯治を目指し、ハード、ソフト、イベントをバランスよく組み合わせ、「三方良し」のまちづくりに取り組みます。
温泉街の空き家の活用、健康プログラムや薬草関連商品の開発、薬草作物の産地化、産学連携などで関係人口の創出を目指したお手伝いをしたいと考えています。

自分の生まれた地域に対して、時間がかかっても、微力であっても、自分に何が出来るのか考えてみては…。
知識と経験を積んで知恵を得て、自分のためにも地域のためにも汗をかいていきましょう。

関谷知之=島根県松江市出身(57歳)2022年に現職に就任。
地元金融機関に約31年間勤務、早期退職して起業。地域資源活用をキーワードに持続可能な地域発展のお手伝い。
楽しく長く成長していくことが持続可能な仕組みづくりの基本、周囲の知恵を上手く繋ぎ合わせながら付加価値を加えることを意識しています。