―2029年が最終年の中長期計画で2期中期計画が始まりました。
1期目は事業変革の基礎固めを推進し、今年から3年計画で組合員間の連携と組合員サービスの向上を図る次のステップに入りました。コロナ禍で開催できなかった2回目の「ものづくりフェア」も視野に入れています。
また、来年夏の開設を目指して新社屋の建設に着手しました。3階建て、延べ床面積約2千平方メートルで、ものづくりの総合拠点として交流スペースなどを設ける計画としています。
―鉄工業界のイメージアップに積極的です。
特に高校生や大学生などの若い世代に島根の製造技術の高さ、鋳物生産が全国トップクラスにあることなど、ものづくりの魅力とやりがいをアピールするため「鉄人島根」のタイトルでCMを2本作りました。昨秋は松江市に銅板製の折り鶴を制作して寄贈しました。
島根大の工学部や次世代たたら協創センター「NEXTA」と組合員企業が共同研究をしており、近い将来は研究成果を活用して社会実装する起業家が誕生することを願っています。
また、約400社の組合員企業の規模は零細から大企業までさまざまですが、大手企業の新製品紹介や各種セミナーといった最新情報などを組合員が共有するネットワークを構築し、提供します。組合員企業の諸問題に対し、フォローする支援も行っています。
―業界では事業承継、流通の2024年問題、資材コストの高騰、人手不足など問題が山積しています。
企業閉鎖は雇用を奪うことにつながるため、事業承継の重要性が増しており、各組合員企業においても、大事な時期を迎えております。
流通は資材コストとも連動し、倉庫を備える中部、浜田などの営業所では資材をストックするなど工夫を凝らしたいと思います。人手不足は深刻で、外国人の雇用が求められます。シニアの活用も欠かせません。
次期中長期計画のスタートとなる2030年に向け、諸問題を解決し、共存共栄を目指します。
鉄の歴史は人類発達の歴史でもあり、引き続き成長する材料の主役です。
そして、わたしたちにとって一番身近な素材でもあります。
島根県の鉄鋼業界、地域経済発展のために、次世代を担う皆さん!一緒に島根のものづくりの未来を拓いていきましょう。
児玉泰州=島根県松江市出身。2014年に現職に就任。












