益田市吉田地区に伝わる郷土芸能を紹介する「民俗芸能祭」がこのほど、同市元町の市民学習センターであった。来場者約100人が地域で受け継がれてきた獅子舞と針拾い神事や益田糸操り人形などをを楽しんだ。
地元の芸能を再認識してもらい、継承者を増やそうと地域自治組織・吉田地区自治協議会が初めて企画し4団体が出演した。
櫛代賀姫(くししろかひめ)神社に伝わる獅子舞と針拾い神事は遷座に由来する神事。9月の例大祭に伴うご神幸祭で執り行われ、田中勝治宮司(78)は「ご神幸祭以外で披露されるのは初めてだろう」と話した。
針拾い神事は老婦人に扮(ふん)した舞い手が、手にした扇で地面をはくようなしぐさをして落とした針を捜す場面を再現する。獅子舞は雌雄2頭で演じられ、舞い手4人が笛と太鼓の音に合わせて頭を高く上げ、ゆったりと回った。
このほか、益田餅つき音頭、多田神楽保存会の六調子舞も披露された。
益田市常盤町の細川政好さん(91)は「獅子舞と針拾い神事は初めて見た。地元にもいろいろな芸能があると再認識した」と話した。(中山竜一)