政府が新型コロナウイルスワクチン接種を加速させようと始めた企業・大学での職場接種が暗礁に乗り上げた。企業などの申請が殺到し、使用する米モデルナ製ワクチンの供給が追い付かなくなる「誤算」で、場当たり的に転換せざるを得ないため。実施要件にすぐに対応できる都市部の大企業が先行する一方、地方の中小企業などは、はしごを外された格好だ。
モデルナ製は9月までに5千万回(2500万人)分の供給を受ける。これを利用しようと、厚生労働省内で専従チームを立ち上げたのは5月26日。準備作業が生煮えの今月1日、加藤勝信官房長官が21日から開始すると打ち出した。
医師や会場を自前で確保でき「1カ所で千人以上の規模」が要件となった。従業員数が多く、産業医や企業内診療所を抱える大企業に有利で、スピードを重視した。
共同通信が今月行った調査では、主要企業の97%が接種する意向を示した。早く準備が整ったとして、全日本空輸が13日、日本航空が14日と日程を前倒しし、多くは21日から打ち始めた。
日本の企業の大半を占める中小企業は、どうやって医師らを集め、千人以上に打つか要件を満たす準備に追われた。他社と組むほか、地元の業界団体などの枠組みでの申請が必要となり、小規模な大学、医学部がない大学にもハードルが高くなった。
申請数は政府予想を上回り、ワクチン量など申請内容の精査も十分ではなかった。21日の本格開始のわずか2日後、河野太郎行政改革担当相が申請受け付けの一時停止方針を表明。長期停止が避けられない情勢だ。











