【出雲】出雲市大社町杵築西、手銭美術館で茶道具の展示が開かれ、さまざまなデザインや図柄の作品に来館者が見入っている。5月26日まで。
「茶の湯の愉しみ~取り合わせを楽しむ~」と題し、同館所蔵品約90点を展示した。茶わん、釜、なつめ、茶入れ、掛け軸といった茶会で使用するさまざまな道具が季節や道具の格を意識して並べられた。
「青磁手桶水指」は明国から持ち込まれたものと考えられ、青緑がかった表面から少し冷たい印象を受ける。江戸時代末期の作とみられる「南瓜釜」は取っ手がヒョウタンの形で、胴がカボチャの形をしたかわいらしいデザイン。
明治-昭和期の哲学者西田幾多郎作の掛け軸「猛虎一声山月高」は、10代目手銭白三郎が本人に依頼して揮毫(きごう)されたもの。松江松平藩7代藩主・松平治郷(号・不昧)作の掛け軸「打車是打牛是」も目を引く。
佐々木杏里学芸員は「お茶がさまざまな場面で楽しまれ、茶道具も親しまれていたことを知ってもらいたい」と話した。
大人800円、高校生以下無料。午前9時~午後5時。毎週火曜休館。(黒沢悠太)