五穀豊(ほう)穣(じょう)を祈る御田植(みたうえ)神事が13日、松江市八雲町熊野の熊野大社であった。地元の中学生たちが早乙女姿で田植え歌を歌いながら、苗に見立てた松葉を植える伝統の踊りを奉納した。
スサノオノミコトが地域住民に米作りを教えたとの言い伝えにちなんだ神事で、1929年から毎年、境内で行われている。
菅笠(すげがさ)に絣(かすり)の着物をまとった市立八雲中学校の女子生徒8人が「秋の実りを植えて待つ」と歌いながら、苗を植える所作を繰り返した。
同中2年の池田春香さん(13)は「前回よりもうまく踊ることができた」と振り返り、藤田羽夏さん(13)は、「来年に向けてもっと上達したい」と話した。
境内には地元住民らが伝統の舞に見入り、松江市東出雲町出雲郷の長沢キヨ子さん(85)は「素晴らしい踊りだった。これからも伝統行事を大切にして継承してほしい」と願った。 (原暁)