浜田市在住の記者(25)は、取材でお世話になっているアマチュア写真家の田中昭則さん(71)=浜田市三隅町古市場=に誘われ、写真展に参加することになった。これまで写真展を多く取材してきたが、出品者になるのは初めてだ。仕事で撮る報道写真と芸術写真は何が異なるのか。展示開催までの裏側、来館者に作品解説を行うギャラリートークの様子を3回にわたり紹介する。

 初回は芸術写真の奥深さを伝える。
 

 ■すさまじい熱量に冷や汗


 写真展「フォトクラブ インフィニティグループ展2024」は20日~5月6日、浜田市三隅町古市場の石正美術館である。参加するのは記者を含めて浜田市内の写真愛好家計10人だ。

 2月下旬から3回、メンバー間の顔合わせや、田中さんの進行で作品提出の締め切り日、美術館への搬入日を決めるミーティングを行った。

写真展に向けた打ち合わせのミーティングに参加する記者(右)=浜田市内


 作品テーマは自由で、撮影時期は問わない。そのためか、メンバーの熱量がすさまじい。鳥や飛行機、神社、花…。それぞれ「得意ジャンル」を持っている。これまで撮った写真を見せてもらうと、プロと遜色ない。その上、こちらは「記者なんだから、それはうまいんでしょう」とハードルを上げられる。冷や汗が止まらなかった。

 しかし、緊張ばかりではない。よく取材する石正美術館に自作が並ぶのを想像するとやる気が湧く。早速休日に、大学時代に購入した私物のカメラ「Nikon D5600」を手に外に出かけた。
 

 ■「これだ」港町で一枚


 提出する作品は5点。休日に撮りためた写真の中で「これは出せそう」と思うのが3点あり、残り2点の撮影に挑む。来館者に作品を見た後で足を運んでもらいたいとの思いを込め、場所は浜田市内にした。

 候補は複数ある。...