中原淳一がデザインした洋服の再現品などを鑑賞する来場者〓(?)益田市有明町、島根県立石見美術館
中原淳一がデザインした洋服の再現品などを鑑賞する来場者〓(?)益田市有明町、島根県立石見美術館

 【益田】女性雑誌の編集やファッションデザインなど多方面で活躍した中原淳一(1913~83年)を紹介する企画展「111年目の中原淳一」が、益田市有明町の島根県立石見美術館で始まるのを前に19日、内覧会があり、来場者が600点以上の展示品を鑑賞した。

 生誕111年を記念した企画展で、20日に開幕し6月17日まで。中原は戦前の1930年、東京・上野の高級洋品店のデザイナーとなり、創作人形の個展を開いたほか、雑誌「少女の友」の表紙絵も描いた。戦後は46年に女性誌「それいゆ」、47年に雑誌「ひまわり」を相次いで創刊した。

 それいゆはファッション、美容、インテリア、手芸など多岐にわたる内容で、当時の女性たちの支持を得た。少女を対象にしたひまわりは、目が大きい女の子の表紙絵が人気で、押し入れの効率的な収納方法などを女学生に提案した。

 企画展では少女の友、それいゆ、ひまわりに携わった各時代の原画や、中原がデザインしたドレスの再現品などを展示。内覧会でも来場者が熱心に鑑賞した。

 企画展を監修した中原利加子さん=東京都在住=は「自分の幸せは自分でつくるということを提案した中原の仕事を、今の若い人にも見てほしい」と述べた。

 開館時間は午前9時半~午後6時(入場午後5時半まで)。一般千円、大学生600円、小中高生300円、未就学児無料。毎週火曜休館。(中山竜一)