通行者(右)から募金を受け取る高校生=松江市朝日町、JR松江駅北口
通行者(右)から募金を受け取る高校生=松江市朝日町、JR松江駅北口

 遺児や親に障害がある子を経済的に支援する「あしなが学生募金」が20日、松江市朝日町のJR松江駅北口で始まった。高校奨学金を申請する遺児らの半数が、資金不足で支援を得られない状況となっており、奨学生らが街頭で切々と協力を呼びかけた。

 あしなが育英会によると、今春の高校進学に向けて奨学金を申請した生徒は過去最多の1800人(前年度比472人増)に上ったが、985人が不採用。島根県は11人中7人、鳥取県は5人中2人が受けられなかった。

 同会が申請者を対象にした調査では、各家庭の保護者のうち51・6%が病気または病気がちだと回答。過重労働やストレスが原因で、働きたくても働けない現状が浮き彫りになった。

 募金活動は全国で一斉にあり、松江駅では奨学生やボランティアの高校生計8人が協力を呼びかけた。高校2年時から奨学金を受ける鳥取大農学部4年の清水紗良さん(21)は「奨学金を受け取れる人を一人でも増やせるよう助けになりたい」と話した。

 松江駅での募金活動は21日もある。27、28の両日はJR鳥取駅北口で正午~午後6時。寄付は随時、クレジットカードや郵便振替などでも受け付ける。問い合わせは同会、電話0120(916)602。平日午前10時~午後4時。(小引久実)