宮廷舞楽の流れをくみ、1200年の歴史を誇る国指定重要無形民俗文化財「隠岐国分寺蓮華会舞(れんげえまい)」が21日、島根県隠岐の島町池田の隠岐国分寺(重栖隆快住職)で奉納された。隠岐にだけ残った異国情緒を放つ伝統の舞を約300人の住民や観光客が見入った。(鎌田剛)
蓮華会舞は奈良時代に中央の寺院から全国に伝わり、他地域では途絶えたが、隠岐では脈々と受け継がれている。隠岐国分寺蓮華会舞保存会(斎藤昭博会長、35人)が毎年奉納している。
東南アジアや東アジアの影響が残る奏楽や舞、仮面、衣装が特徴で、今年は天候の影響で本堂内が会場となった。
法要に続き、中条小学校の児童2人が仏の仮面をかぶって東西に分かれて座る「眠り仏之舞」から舞が始まった。一角の獅子がうとうとする仏にかみつき、目を覚ますしぐさを演じた。
このほか、バリ島系の「獅子之舞」や中国系の「太平楽之舞」など計7演目を奉納し、見物客から大きな拍手が送られた。
母親と見入った中条小1年の石川志(こころ)君(6)は「楽しかった。僕も『眠り仏』を踊りたい」と話した。