世界各地でプラスチック汚染が深刻化、食品汚染や健康影響が懸念されるまでになってきた。一方で年末の合意を目指す国際条約の交渉も本格化してきた。問題解決の道について、内外の識者2人が論じた。 

 東京農工大教授 高田 秀重 微粒子と化学物質を懸念

 

 深刻化するプラスチック汚染を考える上で重要な視点は、プラスチックの劣化などで発生する微粒子「マイクロプラスチック」の問題と、人体や生物に有害な化学物質が製品中に添加されているという問題だ。

 マイクロプラスチックは直径5ミリ以下の粒子をいうが、同10億分の1メートル以下の「ナノ粒子」と呼ばれる超微...