うろこで作られた作品に見入る来場者=出雲市多伎町口田儀、多伎文化伝習館
うろこで作られた作品に見入る来場者=出雲市多伎町口田儀、多伎文化伝習館

 出雲市多伎町口田儀、多伎文化伝習館で魚のうろこで動物や文字の立体作品を作る江津市和木町の佐々本順左衛門さん(78)と千津子さん(74)夫妻の個展が開かれている。30日まで。

 順左衛門さんが浜田市内のスーパーや公設市場で勤務していた25年ほど前、大量に廃棄される魚のうろこや皮を見て、何かできないかと作品作りを思いついた。乾燥させたうろこをはさみで切り、ピンセットや接着剤を使って貼り合わせ、2、3カ月かけて作る。

 順左衛門さん作で、マダイのうろこを使った立体感のある長さ45センチの「鯛」や、2015年の第13回島根県民文化祭硬筆アート展で最高賞の知事賞を受賞した「福よこい」が目を引く。千津子さん作で、うろこを細く切って毛に見立てたかわいらしいネコやウサギなど約60点が並ぶ。

 順左衛門さんは「できていくまでの工程が楽しい。表現を楽しんでほしい」と来場を呼びかけた。

 午前9時~午後4時。入場無料。問い合わせは同館、電話0855(86)2611

(黒沢悠太)