勇壮な一番立てを舞う小川篤希さん=島根県隠岐の島町小路、願満寺
勇壮な一番立てを舞う小川篤希さん=島根県隠岐の島町小路、願満寺

 島根県隠岐の島町小路の願満寺で28日、弘法大師春季大法要があり、地元の住民による神楽が8年ぶりに奉納された。

 願満寺は、平安時代に隠岐へ配流された文人小野(おのの)篁(たかむら)が帰京を願って寺に通い、彫ったとされる本尊の薬師如来像が残る古刹(こさつ)。神楽は1936年から4年に1回奉納されてきたが、新型コロナウイルスの影響で2016年以来となった。

 境内の特設舞台で地元の五箇中学校に通う小川篤希さん(13)、和希さん(12)の兄弟が勇壮な「一番立て」を舞った。続いて大人2人が9人の楽隊の演奏に合わせ、勇猛な獅子舞を奉納した。

 篤希さんは「2カ月練習し、本番は緊張した」と話し、森田和夫総代長(77)は「皆さんの頑張りで神楽ができたのは本当にうれしい。お大師様も褒めてくれたと思う」と感謝した。

 神楽は5月3日に同町郡の水若酢神社である島後三大祭りの一つ、水若酢神社祭礼風流でも奉納される。(鎌田剛)