一畑薬師商店街にカフェをオープンした筑後正博さん(左)と妻の真子さん=出雲市小境町
一畑薬師商店街にカフェをオープンした筑後正博さん(左)と妻の真子さん=出雲市小境町

 「目のお薬師」として知られる出雲市小境町の一畑薬師参道の商店街に、元出雲市役所の職員が代表を務めるカフェがオープンした。喫茶とクラフト販売の「バター イエロー カフェ」を運営する筑後正博さん(61)、真子さん(56)夫婦=出雲市平田町=は「過疎地で、にぎわいづくりに貢献したい」と意欲を見せている。

 正博さんは市の地域振興課や定住対策促進室などで37年間の勤務を終え昨年春に定年退職した。約20年前から籐(とう)かごや木工の家具、アクセサリー作り、10年ほど前からは、コーヒーの焙煎(ばいせん)にはまった。いつかは自分の店を持ちたいと思うようになり、定年の2年前から場所探しを始めた。

 一畑薬師商店街の空き店舗を見つけ、景観や地域の人たちの温かさにもひかれた。市職員時代に関わっていた中山間地域の活性化に貢献したい思いも加わり、この地での出店を決めた。

 かつて飲食店だった空き店舗(木造平屋建て約65平方メートル)を購入し、今年1月から改修。白い壁やガラスの照明を設置し、開放的な雰囲気にした。隣接地にはベンチを置き、だれでも利用できる休憩所を設け、ペット同伴でもくつろげる。晴天時は大山や宍道湖が見渡せる。

 店内には、真子さんと共同で作ったクラフト作品のほか、地元の窯元の陶器や十六島のりといった特産品も販売する。

 正博さんは「夢や思いが詰まった店ができてうれしい。家族や周囲の人に感謝したい」と喜び、真子さんも「ペースがつかめたら活性化のためのイベントを考えたい」と話す。営業時間は午前10時~午後4時。火、水曜日は休み。

 (佐藤一司)