水神を移したみこしを台車に載せて江の川沿いの大岩を目指す氏子ら=江津市桜江町川戸
水神を移したみこしを台車に載せて江の川沿いの大岩を目指す氏子ら=江津市桜江町川戸

 江津市桜江町川戸地区で約500年続く「水神祭」が5日、同町川戸の江の川周辺であり、氏子らが水神を移したみこしを台車に載せて川沿いを進み、大岩に水神を帰した。

 同地区の太詔刀命(ふとのりとみこと)神社が毎年開催する水難事故防止祈願の祭り。水神は神社から江の川の上流に800メートル離れた高さ20メートルの大岩に祭られている。三浦正典宮司(71)が4日夕、大岩に向かい、「神迎え」の儀式をして迎えた。

 水神は神社で一晩を過ごして5日、みこしに移され、氏子ら20人が台車に載せて大岩の上まで進んだ。

 船体の老朽化と船頭を務める氏子の高齢化が重なり、河原からみこしを乗船させ、大岩まで川をさかのぼる神事は2019年を最後に行っていない。三浦宮司は「形が変わったとしても水難事故防止を祈る伝統として後世に伝えたい」と話した。(村上栄太郎)