鳥毛を振り上げ、山車や神輿の行列を先導する大人奴=米子市淀江町西原
鳥毛を振り上げ、山車や神輿の行列を先導する大人奴=米子市淀江町西原

 380年以上の歴史があるとされる、米子市淀江町西原の日吉神社(西江昌史宮司)の神事「よいとまかせ」がこのほど、神社周辺であった。鳥毛(とうげ)を振り上げて踊る奴(やっこ)衆に、ご神体を移した神輿(みこし)などが続く総勢200人超の列が町内を練り歩いた。沿道を埋めた住民は無病息災や子どもたちの健やかな成長を祈った。

 春季例大祭(5月3日)に合わせた伝統神事。昨年、コロナ禍による中止を挟み4年ぶりに復活。今年は法被、鉢巻き姿で列を先導する奴衆に、初めて女性参加者として地元の中高生が加わった。

 みこしや山車、獅子舞などが連なる列は「えんよーいやな、えんよいとまかせ、さ、さ、さ、さーえんよいとまかせ(いい世の中だな。さあ、もっといい世の中でありますように)」のかけ声も高らかに、神社前から旧国道を練り歩いた。

 長さ3メートルほどの柄の先に毛がついた鳥毛でなでられると御利益があるとされ、沿道を埋めた住民や帰省者、見物客らは奴衆の「よいとまかせ」の声に合わせて頭を下げ、この一年の健康などを願った。

 昨年自粛した奴衆の顔の化粧も再開し、本来の神事の形になった。西江紀史禰宜(ねぎ)(31)は「祭りを続けられるのはうれしい。保存会とも連携し、これからもやっていきたい」と気持ちを新たにしていた。

(吉川真人)