地場企業の新入社員研修が多様化している。ビジネスマナーを教える従来の研修だけでなく、経済環境の変化への対応力を養うような研修が重視されつつある。人手不足が深刻化する中、3人に1人が3年以内に離職する状況もあり、新人を育成しやりがいを維持するため、各社が工夫を凝らす。

 「チャレンジ精神を持った人材を育てたい」。電化製品卸売の山陰パナソニック(出雲市渡橋町)の渡部幸太郎社長が語る。

 同社の研修は、JRの格安切符「青春18きっぷ」を使った5日間の旅行だ。切符と現金5万円を渡された新入社員は、旅程を自らで計画。旅先では、会社が設けた「毎日10人以上に話しかける」「旅の様子を交流サイト(SNS)で1日3回以上発信する」といった課題をこなす。

 2022年度に...