松平治郷の功績を紹介する島根県立美術館の藤間寛館長=松江市朝日町、松江エクセルホテル東急
松平治郷の功績を紹介する島根県立美術館の藤間寛館長=松江市朝日町、松江エクセルホテル東急

 山陰両県に出先機関を持つ企業47社でつくる「SUN-INぶらんち会」の2024年度第1回定例会が10日、松江市内であった。島根県立美術館(松江市袖師町)の藤間寛館長が「島根の歴史と文化 名物あれこれ」と題して講演し、31社の31人が松江松平藩7代藩主・松平治郷(はるさと)(号・不昧(ふまい))の功績などに触れた。

 藤間館長は、不昧が45年間をかけて茶道具やわん、絵画など820点余りを収集したことを紹介し、「江戸では年中、火事があったり、藩の取りつぶしがあって名物が分散してしまうため、貴重な日本の文化財を後世に残そうとした」と解説した。

 不昧や松平家が保存していた茶道具などのコレクションは大正時代以降、三井財閥の中枢を担った益田孝氏をはじめとした近代産業の創業者の手に渡っていったとし「そうそうたる人たちが、お茶を通じて付き合いを持っていった」と歩みをたどった。

 (白築昂)