【松江】アクリル絵の具で絵画制作を約40年続ける島根大名誉教授の新井知生(ともお)さん(69)=松江市西川津町=の個展が10日、松江市袖師町、ループハウス101で始まった。見る人の想像をかき立てる26点が並ぶ。26日まで。入場無料。
島根大教育学部で小中高校の図工科・美術科教員を養成する傍ら、アクリル絵の具を使った制作活動も続けてきた。山陰中央新報社文化センター松江教室で、絵画、デッサン、版画、油絵の4講座で講師を務める。
個展では集合住宅の2部屋にわたって2007~24年までの作品を展示し、記憶を通して物語が生まれる過程を表現した。
「昔語り-夏の話」(縦103センチ、横73センチ)は学校や畑、恐竜などを想像させる形を描き、見る人の経験や懐かしい思い出を呼び起こす構成を意識した。赤色を中心とした絵の具を重ね、温かみのある作品に仕上げた。
来場した松江市菅田町の自営業、石橋裕佳さん(37)は「さまざまな物語が想像できて面白い。色合いが深く、見ていて心地がいい」と話した。
新井さんは「作品から感じ取れるものが記憶と結び付いて、自分の人生を慈しんでもらえたらうれしい」と話した。午前11時~午後6時。
(小引久実)













