太鼓や舞を披露するはやし手たち=島根県川本町南佐木、三原八幡宮
太鼓や舞を披露するはやし手たち=島根県川本町南佐木、三原八幡宮

 【川本】島根県川本町三原地区の伝統行事「小笠原近重流三原田植えばやし」が4日、同町南佐木の三原八幡宮であった。早乙女の田植え歌に合わせ、はやし手が太鼓と舞を披露し、五穀豊穣(ほうじょう)を願った。

 参加者は、旧三原小学校体育館から八幡宮まで、調子を取る采(ざい)振りを先頭に練り歩いた。境内では早乙女が田の神を迎える「若君(さんばい)下ろし」や「苗取り」といった田植え歌を響かせ、はやし手が軽やかなばちさばきで太鼓をたたいた。法被姿の子どもたちがかねを鳴らして盛り上げた。見物客約70人が拍手を送った。

 三原地区の田植えばやしは約430年前、この地を治めた豪族の石見小笠原氏が広めたとされる。地元有志でつくる保存会が1980年から毎年披露している。今年は2~82歳の45人が6月から練習してきた。

 小太鼓をたたいた川本小5年、吉武礼乃さん(10)は「太鼓が重くて大変だったけど楽しかった」と話した。保存会の野口捨雄会長(81)は「若い人たちに継承し、続けていきたい」と話した。   (佐伯学)