特選に選ばれて賞状を受け取る小田裕侯さん(左)=益田市高津町、島根県立万葉公園管理センター
特選に選ばれて賞状を受け取る小田裕侯さん(左)=益田市高津町、島根県立万葉公園管理センター

 益田ゆかりの万葉歌人・柿本人麻呂(人麿)にちなんだ「第29回人麿の里全国万葉短歌大会」が2日、益田市高津町の県立万葉公園管理センターで開かれた。一般の部には全国から短歌190首が寄せられ、特選に島根県吉賀町柿木の小田裕侯(ひろし)さん(91)の作品など5首を選んだ。

 短歌歴74年の小田さんの作品は「稀(まれ)に差す冬日あたたかく家ごもる九十一歳の生日けふは」。

 一般の部の選者を務めた短歌誌「歩道」選者の香川哲三さん(75)=広島市東区=は「心にしみる歌で、作者の息づかいが感じられる」と講評し、小田さんは「短歌は年齢相応になる。生涯親しめる」と話した。

 大会は石西歌人クラブ(村上勝史会長)と同公園の指定管理者である大畑建設(益田市)が人麿の生誕と終焉に関する伝承が残る益田の知名度向上を狙いに共催し約40人が参加した。

 大会は一般の部と大学生以下を対象にしたジュニアの部があり、ジュニアには37首が寄せられた。

 村上会長(80)=島根県吉賀町木部谷=は「全国の短歌愛好者の交流を図ろうと開いている。多くの人に参加いただけてよかった」と話した。

 (中山竜一)