舞台上で俳優と一緒に歌う児童たち=島根県美郷町都賀西、大和小学校
舞台上で俳優と一緒に歌う児童たち=島根県美郷町都賀西、大和小学校

 目や耳の不自由な人も楽しめる「バリアフリー演劇」の公演が10日、島根県美郷町都賀西、大和小学校であった。手話や字幕、音声ガイドを織り交ぜて演じられるヘレン・ケラーの物語に全校児童56人や保護者、住民が見入った。

 2019年からバリアフリー演劇に取り組む東京演劇集団風(東京都)が、演劇「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」を披露した。

 幼少時の病気で視力や聴力を失い、話すこともできないヘレン・ケラーが家庭教師のアニー・サリバンと出会い、心を開いていく物語。手話通訳者が俳優の近くでせりふを表現し、背景のスクリーンには字幕を投影。音声ガイドがナレーションで情景を描写した。

 ヘレンがアニーを指文字で「TEACHER(先生)」と呼ぶクライマックスの場面では児童も指文字で表現。舞台上で俳優と児童がアニーの子守歌を手話を交えながら歌った。6年の吉川優義さん(11)は「間近で見る演劇は迫力があった」と話した。

 文化庁の2024年度学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業の一環で開かれた。

(佐伯学)