JR伯備線、山陰線を走る特急やくもで活躍した381系のうち、赤とクリーム色をまとった国鉄特急色と緑色の編成が14日、運行を終えた。現役最後の国鉄型特急電車の勇姿を見ようと、停車駅や沿線は別れを惜しむ多くの鉄道ファンでにぎわった。
【動画】国鉄特急色と緑のやくも ラストラン 381系引退惜しむ
JR西日本山陰支社によると、同日は381系を使用する列車の一部が満席となった。発着駅の出雲市駅(出雲市駅北町)では乗客や鉄道ファンが熱心にシャッターを切った。到着した緑やくもを見送った埼玉県川口市の会社員、紺野拓磨さん(27)は「現役で唯一の国鉄型特急電車の最終日に立ち会うことができてうれしかった」と笑みを見せた。
米子駅(米子市弥生町)はJR西の職員が381系の乗客にクリアファイルなどの記念品を配布。人気が高い国鉄特急色を使った出雲市行きのやくも9号が到着すると、下車した約210人の乗客とファンでごった返した。
3種類ある381系を全て乗りに来たという広島県福山市の小学3年生、田中秀弥さん(8)は「新型も好きだけど381系がなくなるのは寂しい。復活してほしい」と別れを惜しんだ。
381系は新型車両の導入で15日の岡山発出雲市行きのやくも1号で定期運行を終える。赤と白をまとった「ゆったりやくも」は一部を予備車として残す。
(石倉俊直、中村和磨)