JR出雲市駅と岡山駅を結ぶ「特急やくも」。初めて登場したのは、国鉄山陽新幹線岡山開業で、岡山-出雲市駅・益田駅間の「気動車特急やくも」として陰陽を連絡したのが始まりだ。

 長年、山陰の発展を支えた「やくも381系」が6月15日、定期運行を終えて引退した。「特急やくも」の歴史を、年表と写真で振り返っていく。

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<年表>
1972年3月
山陽新幹線開通で特急「やくも」が伯備線経由で運行開始
1982年7月
伯耆大山-知井宮間が電化、381系電車の運転開始
1984年7月
特急やくも衝突脱線事故、死傷者22人
1987年4月
JR西日本発足
1994年12月
新型車両・特急「スーパーやくも」(紫やくも)デビュー
2002年3、4月
20年ぶりに特急気動車を「リバイバルやくも」として運行
2006年1月
JR伯備線死亡事故、保線作業中の社員3人死亡
2007年4月
381系のリニューアル編成「ゆったりやくも」運転開始
     9月
「ゆったりやくも」パノラマグリーン車付き編成デビュー
2012年10月
国鉄特急色の「なつかしのやくも」号が1日限定で登場
2022年3月
「国鉄色」リバイバルやくも運転開始
2023年2月
スーパーやくも色(紫やくも)リバイバル編成運転開始
    11月
緑やくも色リバイバル編成運転開始
2024年4月
新型車両273系が運転開始
     6月
381系特急やくもの定期運行が終了
 

 

1972年3月

山陽新幹線開通で特急やくも(181系気動車)が伯備線経由で運行開始(3月15日)

(国鉄岡山-出雲市・益田駅間)

「やくも4号」の出発式でテープにハサミを入れる手島米鉄局長と久津名出雲市長(左)=1972年3月15日

<関連記事>(1972.3.16付)
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📸昔のフォトアルバム

【1976年】大山をバックに山陰線・伯耆大山-米子駅間の日野鉄橋を走る気動車特急やくも=4月
 

【1981年】<回送>電化完成は1年後。最新鋭の電車も自力では走れず、ディーゼル機関車にひかれてノロノロ運転で動く振り子電車やくも=3月、伯備線江尾-上溝口駅間

 

1982年7月

伯耆大山-知井宮(現・西出雲)間が電化、381系電車の運転開始(7月1日)

(益田駅発着は廃止)

やくも6号の前でテープカットし出発を祝う高木国鉄総裁ら来賓=1982年7月1日午前8時50分、米子駅上りホーム

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