JR出雲市駅と岡山駅を結ぶ「特急やくも」。初めて登場したのは、国鉄山陽新幹線岡山開業で、岡山-出雲市駅・益田駅間の「気動車特急やくも」として陰陽を連絡したのが始まりだ。

 長年、山陰の発展を支えた「やくも381系」が6月15日に引退するのを前に、「特急やくも」の歴史を当時の出雲・石見版と鳥取版ともに紙面記事で振り返る。

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新駅も開業し、祝賀ムード / 国鉄総裁の会見発言で、冷める石見


【出雲・石見版】
イメージアップ山陰 喜びいっぱい電化開業 「うれしい大阪日帰り」 
(1982年7月2日付)原文ママ  ※知井宮駅=現・西出雲駅

 クリームとワインレッドのやくも号が晴れやかに出雲・伯耆路を駆け抜けた。待望の知井宮ー倉敷間電化開業。その門出を祝うかのように夏の青空が広がった一日、沿線各駅では出発式や運転士への花束贈呈などの喜びのセレモニーが操り広げられた。スムーズな加速、静かな列車内。「大阪日帰りはうれしい」「何よりも電化という明るいイメージがいいです」と乗客の声。 

 出雲、宍道、松江など沿線各駅は、電化の恩恵で山陰線十八年ぶりの新駅となった神西駅ともども初賀ムード一色に包まれた。しかし、電化のため直通「やくも」が廃止された石見地方の反応は冷ややか。特にこの日、高木国鉄総裁が米子市での記者会見で...