頌徳碑の写真を紹介する篠原隆事務局長(右)たち=浜田市下府町、いわみ文化振興センター
頌徳碑の写真を紹介する篠原隆事務局長(右)たち=浜田市下府町、いわみ文化振興センター

 江戸時代の石見銀山領代官でサツマイモ栽培を奨励し住民を飢餓から救った井戸平左衛門(1672~1733年)をたたえる頌徳(しょうとく)碑の写真展が、浜田市下府町のいわみ文化振興センターで開かれている。中国地方にある533基の写真がずらりと並ぶ。

 平左衛門は1731年に代官に就いた。翌年の「享保の大飢(き)饉(きん)」で不作だった米の代わりにサツマイモに着目。薩摩から取り寄せ栽培を勧めた。死後、サツマイモの普及が進み、住民らが感謝の意を込め頌徳碑を建立した。今も「いも代官」の愛称で親しまれる。

 写真展は碑を研究する大田市文化協会が主催。石賀了会長らが現地住民の協力で撮影した写真を展示する。市町村別で最多の173基がある浜田市をはじめ、大田市の97基、平左衛門が亡くなった岡山県笠岡市の碑もある。江戸から平成に建立され、高さは40センチ台から3メートル超まであり、四角や楕(だ)円(えん)型など形状も多彩だ。

 同協会の篠原隆事務局長は浜田市に碑が多い理由は不明としながらも、「平左衛門の功績や、建立した住民たちの歴史を知ってほしい」と話した。

 火曜休館で7月21日まで。開館時間は午前9時~午後5時。大人300円、中高生100円。小学生以下無料。

(宮廻裕樹)