道路の状況を調べる関係者=10日、出雲市大社町日御碕
道路の状況を調べる関係者=10日、出雲市大社町日御碕

 崩落場所は県道大社日御碕線で、大社港と日御碕のほぼ中間地点。幅員5メートルの2車線道路が約50メートルにわたって崩落し、土砂の一部は日本海に流れ出すほどだった。

 孤立した日御碕地区の男性(65)は「道路が崩落するような災害は近年なかったと思う。ここまでの規模は初めてではないか」と驚く。

 県道横は崖で、数十メートル下に日本海が迫る。県道を管理する島根県道路維持課の実原哲也課長は復旧工事について「長期戦になるかもしれない。今後の雨によっても変わってくるため、復旧時期は何とも言えない」と話した。

 日御碕地区では住民の代表約10人が集まり、必要な物資などについて協議した。食料は数日間は持つものの長引けば厳しいとし、今後、必要な物資をまとめて、市に要請する方針。

 日御碕コミュニティセンターの園山暢男センター長は「食料、薬は輸送が不可欠だ」と強調した。

 現場は車両が通れないため、物資の輸送手段が課題となっている。出雲市防災安全課は11日以降、日御碕コミュニティセンターの車両に現場付近まで来てもらい、市役所側から来た職員が迂回(うかい)路を歩き、人海戦術で支援物資を届けるほか、船を使った輸送も検討している。

 同課の木村公課長は「物資の量や重さによっては遊覧船など、海路も使いたい」と述べた。