廃品を使った演奏を披露する山口ともさん(左)=浜田市原井町、浜田第二中学校
廃品を使った演奏を披露する山口ともさん(左)=浜田市原井町、浜田第二中学校

 浜田市原井町、浜田第二中学校でこのほど、打楽器奏者の山口ともさん(65)を招いた指導教室があった。廃品を使ったユニークな演奏で知られる山口さんは吹奏楽部員約30人の前で、日用品を駆使して波音や動物の鳴き声を再現し、音を楽しむ大切さを伝えた。

 山口さんは東京都出身。打楽器奏者として歌手の平井堅さんや石川さゆりさんのツアーやレコーディングに参加した経歴があり、廃品を使った独創的な演奏を全国で始めた。

 器に入れた小豆と自身の声で、押し寄せる波音と鳥の鳴き声を表現。ローストチキンのたれが入っていた金属製の箱をたたくと「ビヨーン」と、不思議な音が響き、宇宙を連想させる音と紹介した。

 演奏のたびに音の揺れ方が異なって聞こえるのが、廃品演奏の面白さと説明。「若い子たちはスマホやインターネットに接する機会が多いと感じる。自分の感性や想像を膨らませて、じっくり音と向き合う時間を大切にして」と助言した。

 打楽器を演奏する2年の津野健二朗さん(13)は「自分も身近にあるもので、自分だけの音を見つけてみたい」と話した。

 教室は島根県芸術文化センターが開いた。

 (宮廻裕樹)