増便が検討されているエアソウルの米子-ソウル便=境港市佐斐神町、米子空港
増便が検討されているエアソウルの米子-ソウル便=境港市佐斐神町、米子空港

 鳥取県の平井伸治知事が18日の定例会見で、米子空港(境港市佐斐神町)のソウル便について、運航する韓国の格安航空会社エアソウルが今秋以降、週2往復以上の増便を前向きに検討していると明らかにした。現行は週3往復で、週5往復以上が実現すれば、インバウンド(訪日客)による地域経済への波及効果の拡大が期待される。

 県と江原道(カンウォンド)の友好提携30周年記念行事出席などの目的で訪韓した平井知事は5日、ソウル市内でエアソウルの宣(ソン)完成(ワンソン)代表理事と面談。現行の水曜、金曜、日曜の週3往復では、社員旅行などの多様な旅行商品への対応に限界があることや、仁川空港に午後5時45分に到着するダイヤでは、ソウル市中心部に車で移動すればさらに2時間近くかかり、修学旅行誘致などに支障があると訴え、増便やダイヤ見直しを求めた。

 これに対し宣代表理事は、秋以降の増便を前向きに検討すると応じたという。

 県は今後、インバウンド獲得に向けた韓国内での情報発信に加え、課題となっているアウトバウンド(日本人客)の掘り起こしのためのプロモーションを強化する考え。平井知事は「増便の可能性が初めて示された。利用促進に向けた調整を始めたい」と強調した。

 米子-ソウル便は、2019年10月に日韓関係の悪化で運休する前、週6往復を運航。コロナ禍が落ち着き、23年10月に運航再開後は週3往復となっている。県はデーリー(毎日)運航を目指している。

 鳥取県内では、境港と韓国・東海(トンヘ)を結ぶ日韓の定期貨客船「イースタンドリーム号」が8月に運航を再開する予定で、空と海のルートでインバウンド拡大が期待される。

(岸本久瑠人)