二度と味わいたくない悔しさを晴らすために、三上紗也可(23)はパリの飛び板に立つ。まさかの準決勝敗退に終わった東京大会の無念は、金メダルでしか振り払うことができない。そう信じ、歯を食いしばってきた3年間。努力が実を結ぶかどうかは、代名詞とも言える大技「5154B(前宙返り2回半2回ひねりえび型)」の出来にかかっている。
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2021年7月31日、東京五輪女子板飛び込み準決勝の3回目。前日の予選で72・00点を出した前逆宙返り技で板を踏み外し、まさかの19・50点。演技終了後に目を赤く腫らしたこの日から三上のパリへの長い道のりが始まった。...