国策は動き出すと止まらない。沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設がそうだ。県民の多くが反対なのに工事は進み、海は埋め立てられていく。「語り部」だった母の遺志を継ぎ、平和運動に力を入れる対馬丸記念館館長の平良次子さんは「これが民主主義なのか」と問いかける。

 母の平良啓子は、80年前の1944年8月に米潜水艦の攻撃を受けて沈没した学童疎開船「対馬丸」の生存者でした。

 戦後、母は小学校教諭として平和教育に力を尽くし、退職後も「語り部」として自身の体験を語り続けてきましたが、昨年7月29日、...