暗闇で緑色に光る発光キノコ「シイノトモシビタケ」とみられるキノコが、島根県隠岐の島町の山林で見つかった。専門家によると、中国地方で生息しているのは初めての発見となる可能性がある。
同町城北町の県自然保護レンジャー白石泰志さん(42)が、7月中旬の夜に町北部の山林で見つけた。海岸線に近い斜面の上で光を確認し、近づくと、朽ちた木に数センチほどの小さなキノコが複数付いていた。
シイノトモシビタケは1950年代に八丈島で見つかった。和歌山や三重、兵庫、九州のほか、離島では対馬で確認されている。キノコの生態に詳しい和歌山県立自然博物館(海南市)の川上新一主査学芸員は「写真ではシイノトモシビタケに見える。おそらく今まで中国地方では見つかっていない」と話す。白石さんは川上さんの元に見つけたキノコを送り、鑑定を依頼する。
今回見つかったキノコは温暖な地域を好む南方系のものとみられる。隠岐では北方系と南方系の共存が植物にみられるのが特徴で、白石さんは「キノコにも同じことが言える可能性がある」と生物の多様性に注目している。
(鎌田剛)