九回2死、渾身(こんしん)のストレートにバットが空を切ると、大社の主戦左腕・馬庭優太が崩れるようにマウンドに膝を突いた。32年ぶりとなる甲子園出場を決め、抱えてきた重圧から解放された瞬間だった。

 島根大会1回戦から決勝までの6試合...