有料観覧席を設置する関係者=松江市袖師町
有料観覧席を設置する関係者=松江市袖師町

 松江水郷祭花火大会が3、4日の両日、宍道湖岸で開催される。主催する水郷祭推進会議(会長・田部長右衛門松江商工会議所会頭)は1日午前時点で有料観覧席の前売り券2万3千席の約7割を販売し、23年同期比で増えているとする。席種ごとの設置席数や販売状況は明らかにせず、収支計画で掲げた券売収入1億5800万円に届かなければ追加で企業協賛を集める可能性もあるとした。

 推進会議は計画で2万5千席の設置を予定していたものの、一部エリアで国土交通省や警察の許可が下りず、2万3千席にとどまった。当日の波や風の状況を受け、最大で約3千席減る可能性があるという。購入者には同額の別の席を用意する。

 同会議によると、1日午前時点で2万3千席のうち販売は約7割。2023年は開催前日に2万6千席の5~6割を販売していたといい、24年がやや上回っているという。特に、7月29日に発売した最安値の2千円席が好調だという。

 2千円席は計画段階で設置を想定していたものの、国交省からの許可が見通せなかったため、発売が直前になったという。5月7日に発売した前売り券のうち、1人当たりの最安値は2500円。直前にさらに安い席を売り出したことに、市民の一部から疑問の声が上がっている。

 同会議事務局を務める松江商工会議所の金井寿彦常務理事は「商売上の駆け引きだと声が上がる可能性は承知している。意見は受け止めて次回に生かす」と釈明した。

 収支計画では有料観覧席の収入として1億5800万円を計上し最高で1人当たり10万円の席を用意した。高価格の席を中心に、席種の席数を変動させ、計画に近づけるための対応をとっていたという。

 当日調整する「水しぶき席」を除き、約2週間前時点で席数は定まっているが、金井常務理事は「今ある席を売ることに集中しており、詳細を出す余裕はない」と述べ、席種ごとの席数内訳や売れ行きの詳細は把握していないとした上で、「市民から多くのニーズがあれば回答も検討する」と話した。

 収支計画を達成できるかどうかは、支出の抑制や、当日券の売り上げもあり「終了するまでわからない」と説明。赤字が見込まれる場合、大会終了後に「追加で企業協賛を集めてでも、赤字を回避しなければならない」と話した。

 2日は推進会議の関係者が宍道湖岸に椅子を並べるなど準備を進めた。

(堀尾珠里花)