7月の島根県内の平均気温は出雲や斐川、浜田など19観測地点のうち12地点で過去最高を記録した。残る7地点も歴代2、3位と歴史に残る暑さだった。今後もしばらく続く見込みで、松江地方気象台は熱中症に一層の警戒を呼びかけている。

 地方気象台によると、太平洋高気圧に覆われた日が多く、南から暖かく湿った空気が流れ込んだのに加え、海水面の温度が高く、夜に気温が下がりにくくなっているのも要因という。

 陸地と海面の温度の差によって生まれる海風、陸風が発生しにくいため、空気の循環が起こりにくく、最低気温が高い状態が続いたという。

 地点別月平均気温は、7月の最高を記録した12地点のほか、残る松江、大田、益田、津和野など7地点も歴代2、3位だった。

 特に梅雨明けした7月下旬以降、張り出したチベット高気圧と、高度の違う太平洋高気圧と重なる「ダブル高気圧」によって平均気温を押し上げた。実際、26日から28日にかけて松江(37・2度)、斐川(37・4度)など7地点で7月の観測史上最高を更新した。

 月間の降水量はおおむね平年並みだったが、短時間で集中的に降るめりはりがある降り方だった。結果として日差しが出る時間は長くなったため、松江地方気象台の担当者は「気温が高くなった要因の一つと言える」としている。

 消防庁によると、1~28日に県内で熱中症で救急搬送されたのは221人。搬送後の医療機関の初診時点で1人が亡くなり、10人が重症だった。

 3カ月予報では10月まで高温が予想されている。松江地方気象台の担当者は、1898年の統計開始以降で最高だった昨夏(6~8月)に匹敵する暑さになる可能性があるとし、猛暑への備えを呼びかけている。

(新藤正春)