「自分史上一番のこぎを」
ローイング男子シングルスカル 森卓也選手 米子市在住
ローイングの森卓也(もりたくや)選手が出場するのは男子シングルスカル(運動機能(きのう)障害PR1)。PR1は最も障害の重いクラスです。ボートは1人乗りでシートは固定され、横に倒(たお)れるのを防(ふせ)ぐ浮(う)きが両側に付いています。腕と肩(かた)を使って2千メートルをこぎ、速さを競います。
先天性(生まれつき)の脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)という背骨の神経(しんけい)にかかわる病気で体の下半身に障害があります。もとは陸上の砲丸(ほうがん)投げ、円盤(えんばん)投げの選手として活躍しました。ともに日本記録を持っています。肩のけがで続けられなくなり、2021年にボート競技を始めました。米子市の中海にある錦海(きんかい)ボートコースを拠点に練習し、力をつけました。
米子市であった壮行(そうこう)式では「自分史上(しじょう)一番のこぎをして、笑顔で米子に帰ってきたい」と活躍を誓(ちか)いました。
パラ競技人口 増やしたい
陸上男子やり投げ 高橋峻也選手 米子市出身
陸上男子やり投げ(上肢(じょうし)障害(しょうがい)F46)の高橋峻也(たかはししゅんや)選手は日本記録でもある自己(じこ)ベスト(61メートル24)の更新(こうしん)がパリ大会の目標です。「更新すれば銅メダルの可能性(かのうせい)が高くなる」と話しています。
3歳(さい)のときになった脊髄炎(せきずいえん)の影響(えいきょう)で右腕(みぎうで)に障害があります。右腕を曲げることが難(むずか)しく、前後に動かせる範囲(はんい)も健康な人の3分の1ほど。ですが、厳(きび)しい練習で克服(こくふく)してきました。高校までは野球に打ち込み、境高校3年生のときには夏の甲子園でベンチ入りしました。やり投げを始めたのは、日本福祉(ふくし)大学に入学してからです。
障害者スポーツの競技(きょうぎ)人口を増(ふ)やすことも目標にしています。「(自分の存在(そんざい)が)障害者スポーツを始めるきっかけになってほしい」と意気込(いきご)んでいます。