夜の海洋生物を観察するイベントが17日夜、島根県隠岐の島町都万の都万漁港であった。親子連れ20人がアンドンクラゲやウミヘビといった見慣れない生物を観察したほか、ウミホタルの発光現象を間近で確認し、夜の海の世界に見入った。
日常生活では気付かない隠岐の生物の豊かさを知ってもらおうと、環境省隠岐管理官事務所が主催した。島根大隠岐臨海実験所の小野廣記助教(38)=進化発生学=が講師となり、日没と同時に漁港内の突堤から水中にライトを入れて水中生物の変化を観察した。
ライトにはカイアシやホヤといった小さな生物が集まり、こうした生物を食べようとアジやイワシの幼魚も寄ってきた。さらに幼魚を狙ってスズキも姿を見せ、岸壁でのぞき込む子どもたちを夢中にさせた。
ワタリガニの一種タイワンガザミやダイナンウミヘビといった珍しい生物も確認され、小野助教やスタッフが生物をすくい上げて、水槽に入れて解説した。
あらかじめ用意した魚を沈めた仕掛けには大量のウミホタルが付着し、体から青い発光物質を出して子どもたちを驚かせた。
中条小学校6年、松浦優志さん(12)は「光に集まる生き物がすごくたくさんいて面白かった」と話した。
(鎌田剛)